1990年代の死語

イタ飯

イタ飯_死語

「イタ飯」の意味・語源は?

イタ飯とは「イタリア飯」の略称です。

意味はそのまんま「イタリア料理」、転じて「イタリアンレストラン」を指すこともあります。

<用例>

今度のデート、イタ飯行きたいな
任せてちょんまげ。美味しいお店知ってるから

「イタ飯」はいつ流行したのか?

1980年代後半から1990年代にかけて、日本国内で「イタリア」がブームになりました。

1985年(昭和60年)のプラザ合意をきっかけに円高が進み、海外旅行客が増えたこと、イタリアへの直行便ができたこと、フランスやイギリスと比べて物価が安いこと、などの理由が挙げられます。

 

あと、イタリア料理って当時の若者には「ちょっと背伸びするデート」にうってつけだったんですよね。

フレンチほど高級感があるわけではなく、かといって中華ほど庶民的でない絶妙な感じ。

 

イタリアンの流行に伴い、国内ではイタリア料理店が増え始めました。

当時はバブルの絶頂期で、雑誌でイタリア料理が特集されまくり、女性とのデートに「イタ飯」を使う若者が増えたことで爆発的に流行します。

 

そして1990年、「ティラミス」が大流行。

これもイタリアブームに拍車をかけ、「イタ飯」は完全に若者の間に定着していきます。

筆者(40代)としてはティラミスブームが懐かしい…

「イタ飯」はいつ死語になったのか

そんなイタ飯ブームですが、バブル崩壊とともにゆっくりと死語化していきます。

デートに使えるお金が減り、若者はイタ飯でうかれる余裕がなくなってきました。

また、イタリアンやフレンチのシェフによる創作料理のレベルが全体的に上がったことによって、「イタリアン」の定義があいまいになってきました。

「イタ飯」と一括りにできないほど料理が多様化していったことに伴い、「イタ飯」はあまり使われなくなっていきました。

 

念のためGoogleトレンドで「イタ飯」の検索ボリューム推移を見てみましょう。

過去20年分を見てみると、ここ10年くらい一定の検索ボリュームがあるんですよね。

Googleトレンド「イタ飯」Googleトレンド「イタ飯」

根強い人気があるのがわかります。

ただ、「イタ飯」って何となくバブルの匂いがする言葉なので、使うのちょっと恥ずかしくないですか?(笑)

twitterを見ても、「イタ飯」を使う人は一定数いるのですが、死語であることを気にしながら使っている人が多い印象です。

一方、「イタ飯」という名前の付いた居酒屋が最近増えている気もします。

「イタリアン」よりも気取らない庶民的な味を提供するイメージで、お店が「イタ飯」を店名に付けるケースが多いようです。

「イタ飯」は爆発的に流行っているわけではないものの死語にはなっておらず、人々の間で使われ続けている言葉といえるでしょう。

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