2000年代の死語

ユビキタス

ユビキタス_死語

「ユビキタス」の意味・語源は?

「ユビキタス」とは、社会のいたる所にコンピュータがあって、いつでもどこでも「インターネットの情報ネットワークに接続できる」環境を意味する言葉です。

意識せずにインターネットにつながり、便利なサービスが提供され、生活が豊かになる社会」を指して「ユビキタス社会」と呼んでいました。

 

元々は宗教用語として誕生しましたが、1991年、米パロアルト研究所のマーク・ワイザーがコンピュータ社会の将来について論じた論文に初めて登場し、IT用語として定着しました。

「ユビキタス」はいつ流行したのか?

「ユビキタス」は2000年代前半からIT業界内で使われ始め、インターネットが広まるにつれ徐々に世の中に定着していきます。

2004年には日本政府内で「e-Japan戦略」の後継として、「ユビキタスネット社会の実現」を掲げる「u-Japan政策」が開始されました。(2009年に終了)。

2004年~2006年あたりが「ユビキタス」の全盛期といえるでしょう。

「ユビキタス」はもう死語なのか?

「ユビキタス」は現在では完全に死語となりました。

「ユビキタス」が頻繁に使われた2000年代頃は、現在のようにスマホやタブレットなどのIT機器がなかった時代です。

当時はネット端末を持ち歩く、という概念があまりありませんでした。

 

多くの人がスマホを持ち歩く現在、いつでもどこでもネットにつながります。

つまり、ユビキタス社会が実現できたため「ユビキタス」は死語化した、と言えるでしょう。

Googleトレンドで「ユビキタス」の検索ボリューム推移を調べてみると、過去20年でキレイに右肩下がり。最近ではほとんど検索されてない用語になってしまいました。

ユビキタス_GoogleトレンドGoogleトレンド「ユビキタス」

 

ちなみに、似た用語に「IoT」がありますが、こちらは微妙に意味が違います。

IoTは、電気機器がスマホなどと連動していて、人の行動によって便利な使い方ができるイメージ。

例えば、スマホから家のクーラーを付けるとか、宅配ボックスを開けるとか、人間のアクションきっかけで電気機器とつながる社会を意味します。

 

一方、「ユビキタス」は人間が全く意識しないままインターネットにつながり便利な社会が実現できる、ということを表現しているので、IoTとは少し意味が異なります。

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