2010年代の死語

眼福

眼福_死語

意味

「眼福(がんぷく)」とは、「珍しいもの、美しいものなどを見ることのできた幸せ」「目の保養」を指します。(出典:デジタル大辞泉(小学館))

芸術作品や美しい人物などを見て、目から幸せを受けとり、ウットリとする様子をあらわします。

癒やしを与えてくれる存在を見たときの多幸感もあらわす「眼福」。

この言葉から芸能人のファンや、オタクを思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。

 

眼福は「自分は見ることができただけで、十分幸せです。」と、主観的に強く表現をする言葉です。

例文:
「眼福の極み」: 見て得られた幸せが最大。興奮の様子を伝える。
「眼福です」 :   見ることができて幸せですというよりも、ずっと実感のこもった表現。

対義語:
「見るに耐えない」「目も当てられない」

また、英語では、”​​​pleasing to the eye” 「目が喜ぶこと」で、日本語と同じ表現です。

「眼福」の語源・由来は?

眼福は中国から来た言葉です。

中国では五感が刺激され、幸せになることを「福」の字を使って表す習慣があります。

眼福以外には「耳福」「口福」などがあります。

 

日本では異性をほめる言葉として、万葉集に「眼福」が使われています。

眼福が古くから日本に伝わる言葉だとわかりますね。

「眼福」はいつ流行したのか?

2010年頃から流行が始まり、2018年〜2020年頃にピークを迎えています。

Twitterや雑誌の見出し等で、眼福が多数使われるようになりました。

Googleトレンドによると、歌手の米津玄師さんが2014年4月にリリースした曲「眼福」も、2019年に多数検索されています。

Googleトレンド 眼福(米津玄師の曲)Googleトレンド 眼福(米津玄師の曲)

「眼福」は死語になったのか?

調査した結果、現在でも多くの人が「眼福」を使っており、死語とは言えなさそうです。

実際にGoogleトレンドを見ても、眼福は、検索数が右肩上がりのキーワード

Googleトレンド 眼福Googleトレンド 眼福

 

一方、2020年頃から、Twitterでは眼福を「死語」とみなす人も増えています。

2020年からは「尊い」(とうとい)も流行したため、眼福が「尊い」に置き代わり始めているのかもしれません。

推しが尊い」などは、今でもよく聞く言葉ではないでしょうか。

 

ただ、流行が過ぎても眼福は今のところ完全な死語にはなっていません。

「(あくまで自分は)見ることができて幸せだ」という意味合いを含められる眼福。

SNSの流行などで他人の意見を気にする現代人にとって、きっと使いやすい言葉なのでしょう。

これからも日常的な言葉として、眼福は世の中に残っていくのかもしれません。

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