「ナウい」の意味・語源は?
英語の「NOW」に、形容詞を表す「―い」を付けた造語。
「現代的」「流行に乗っている」という意味で使われます。
<用例>
類義語:「トレンディ」「斬新」
対義語:「ダサい」
余談ですが、ナウいが死語になってしまったのに「ダサい」が今でも健在なのは謎ですね。
「ナウい」の発祥はいつ頃?
「ナウい」の発祥は1970年代にさかのぼります。
1970年代の初めごろから、若者雑誌などで「NOWな」「ナウな」という表現が使われ始めました。
これは当時、ベトナム戦争でのスローガンであった「フリーダム・ナウ」からフリーダムを取って残った「ナウ」を若者が使うようになった、という説があります。
「ナウ」は1974年に発行された「三省堂国語辞典」にも掲載されたので、「ナウ」が1970年代中盤に流行していたことがわかります。
そして「ナウ」が転じて「ナウい」が流行するのは1979年ごろ。
若者の言葉遊びの一環として「ナウ」から「ナウい」に変化した説が濃厚です。
近頃のナウいギャルはねェ、休日には山奥の寺へ精進料理を食べに行くのヨ。(岡野玲子「ファンシィダンス」1985年)
「ナウい」にしても、そもそもはモードの本質をずばり表わす言葉だった。 (鷲田清一『てつがくを着て、まちを歩こう ―ファッション考現学』2006年)
うんざりどころか、逆に「ナウい」などと得意になっているのは、ネコかシャクシか、だろう。ついでに言えば、「ナウい」といった言葉も、不快きわまりない表現である。 森本哲郎『日本語 根ほり葉ほり』1994年)
「ナウい」は多くの小説や随筆にも使われており、当時の流行語だったことがうかがえます。
「ナウい」はいつ死語になったのか?
1980年版の『現代用語の基礎知識』に掲載されるほど流行っていた「ナウい」ですが、同じく1980年頃から急激に死語化していきました。
こんなに早く廃れてしまった理由としては、
- あまりにも早く浸透したため、新鮮さを失い使うのが恥ずかしくなった
- 流行に敏感な若者が使っていた言葉だったため
- 高齢者の間ではブームの終息以降も使われたため「古くさい言葉」というイメージが付いた
などがあります。
ちなみに、英語と「~い」を組み合わせた新しい形容詞は他にもたくさん生まれましたが、今では消えてしまったものもたくさんあります。
- エロい
- グロい
- エモい
- チルい
- プロい
- テクい
- ラグい
この中で「ナウい」は消えてしまいそうでが、果たして生き残ることはできるのか?
なお、twitterでは「ナウい」を普通に使っている人はほとんどおらず、「死語であることを理解してわざと使っている」状態です。
若い人は知らないかもしれないけど、マックのハンバーガー60円の時とかあってですね、友達10人と600円出し合ってハンバーガー100個頼んで盛り上がった話をするのが最高にナウい時代があったんすよ😂
— しゅん@投資家公務員 (@servant_invest) January 6, 2023
ナウなヤングにバカウケのお洒落コーデ。 pic.twitter.com/fWD1gLsDwo
— ゆきかぜ (@yukikaze032408) December 22, 2022
「ナウい」は死語であることを売りとして生き残っているのですごいと思う
— sat (@satoru_takeuchi) February 21, 2022